1. はじめに
みんな、鰻って知ってる？夏においしいとされる魚で、特に「土用の丑の日」に食べると元気が出ると言われているよ。でも、鰻はちょっとお値段が高いんですよね。なぜ高いのか、一緒に考えてみましょう。
2. 鰻の養殖の困難性
鰻の養殖には、多くの困難が伴います。まず、シラスウナギを捕獲して育てるため、シラスウナギの量が足りないと出荷量も増やせません。
また、シラスウナギの価格は右肩上がりに推移しており、2003年は1キロあたり16万円でしたが、2022年は1キロあたり220万円となっています。
完全養殖が一般的でないため、品種改良ができず、商品としての鰻を魅力的にする方法が限られます。また、養殖業者ごとにシラスウナギの池入れ量が決められ、自由にコントロールできないため、経営戦略が取りにくいという問題もあります。
養殖には多額の費用がかかり、池・ハウス・その他の設備の準備には約5,000万円が必要とされています。さらに、シラスウナギを仕入れる必要があり、その価格は変動します。また、人件費や光熱費などのランニングコストも必要です。
これらの困難にもかかわらず、最新の研究や機器を活用することで、新規参入者は養殖業界に新たな風を吹き込むことができます。たとえば、廃材や水の再利用など、環境に優しい養殖方法も可能です。しかし、これらの新しい方法を採用するには、農林水産大臣からの許可が必要となりやはり困難です。
3.鰻の生態と価格
鰻は、成魚として捕獲されるのではなく、若鰻（シラスウナギ）として捕獲され、養殖されます。養殖場では、シラスウナギを大きく育てるまでに6ヶ月から12ヶ月の作業が必要です。また、養殖には日々の丹念なケアが必要で、病気が広がったり、池で事故が起きたりすると利益を出すことはできません。
鰻の餌は、魚粉、小麦、大豆粉、魚油の混合物で、これが鰻のコストの大部分を占めます。養殖場では1日に2～3回、鰻に餌を与えます。養殖場のオーナーは、「150,000匹のシラスウナギ全てに餌が行き渡るようにするのは難しい仕事だ」と語っています。
鰻の生態を理解することは、その価格を理解するための重要な一歩です。鰻の養殖は時間と労力を必要とし、その結果、鰻の価格は高くなります。また、鰻の餌のコストも価格に影響を与えます。これらの要素が組み合わさることで、鰻の価格は高騰しています。
4.鰻の調理法と価格
鰻の調理は、見た目はシンプルですが、その調理法をマスターするには何年もの時間が必要です。鰻は新鮮さを保つために生で調理されますが、これは取り扱いを非常に難しくします。
串打ち3年、裂き8年、焼き一生
鰻は串に刺すのに3年、切るのに8年、焼くのには一生を必要とすると言われています。
鰻は、焼きながら常に監視しなければならず、均一に焼くことが求められます。また、鰻は3回焼かれ、各焼きごとにタレにつけられます。このような手間をかけて調理された鰻は、味と見た目が等しく良いとされています。
5.鰻の需要と供給
鰻の需要は高く、特に夏にピークを迎えます。しかし、この高い需要が問題を引き起こしています。1980年以降、全世界の鰻の漁獲量は75％以上減少し、これが価格に大きな影響を与えています。また、2014年には日本の鰻が絶滅危惧種に指定され、国内の漁獲量が少ないため、日本で食べられる鰻の大部分は中国や台湾から輸入されています。 これらの要因が組み合わさることで、鰻の価格は高騰しています。そして、鰻の未来は不明確で、需要が増えるにつれて価格はさらに上昇する可能性があります。
6.まとめ
鰻が高い理由は、鰻の生態、養殖の難しさ、そしてその調理法にあります。鰻は、小さい時に捕まえて、大きく育てます。そのため、養殖には時間とコストがかかります。また、鰻の調理は非常に手間がかかり、その技術を習得するには何年もの時間が必要です。さらに、鰻の需要が高く、供給が追いつかないことも価格を押し上げています。これらの要素が組み合わさることで、鰻の価格は高騰しています。そして、鰻の未来は不明確で、需要が増えるにつれて価格はさらに上昇する可能性があります。
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